2018年11月21日水曜日

環境の消毒って、必要なの?

 

私がこの仕事を始めた25年前は、「環境の消毒って、必要なの??」といった議論がちょうど始まった頃でした。当時はまだ、ホルマリンで手術室を燻蒸消毒したり、グルタラールアルデヒドを病室内に噴霧したりするのも普通でしたので(本当です笑)、それは必要ないよね、という議論が始まった頃だったんです。

 この議論の発端は、医療関連感染(院内感染)は「手指」の汚染が主原因であり、環境の消毒は重要でない、してもすぐに汚染されるから無意味、むしろ、ケミカルが人体に有害というエビデンスや意見が多数を占めるようになっていったという経緯があります。

言うまでもなく、感染制御に最も重要なのは、今でも「手指衛生」です。

 極端なことを言えば、手指衛生がもし、完璧に出来るなら、感染制御はそれだけでほぼ完了です。もちろん、大元を断つと言う意味で抗菌薬の適正使用も重要であり、再生する必要のある医療機器・器械の洗浄、消毒、滅菌も重要であることは言うまでもありませんが。

よって、手指衛生が完璧なら、環境衛生は必要ありません、
と言っても過言ではないと思います。
 そもそも手指衛生が完璧なら環境は汚染されにくいし、たとえ環境が汚染されたとしてもWHOの5つの瞬間で手指衛生が完璧なら、患者さんに伝播のリスクは発生しません。

 ただ、手指衛生を完璧にすることは、この25年を経てもできていません。世界中で様々な教育やセミナー、最近ではセンサー等のIoTを利用した監視システムも開発されていますが、未だに決め手となる解決策は出てきていません。手指衛生のコンプライアンスは25年前よりは格段に進歩はしているはずですが、耐性菌の台頭もあり、院内感染は未だに大きな課題です。なので環境からの手指への水平伝播を防ぐために環境表面の衛生があらためて重要になってきているのです。ただし、20年以上前の環境消毒が空間を消毒する要素が大きかったのに対し、今、あらためて世界で大きな流れがきている環境衛生とは、環境空間ではなく、手指が汚染されるリスクのある環境表面の衛生のことです。
 そして、環境衛生もまた、清掃や消毒などを人が行う行為であるが故に、完璧にすることは難しい。また、グローブやマスク等の個人防護具PPEのコンプライアンスも完璧を求めることは同様に非常に困難です。

 どの対策も完璧が難しいから、それぞれを補う仕組みが必要になってきます。感染制御は、だから、一つの対策だけでは成り立たず、一つ、一つの対策を紡いでいく(バンドルする)、我々はそれを「感染管理のチェーンをつなぐ」と呼んでいますが、その対策のチェーンをつなぐことが大切であり、それが感染予防、感染制御だと我々は考えています。

 では、根本的な問題として、
 なぜ、完璧にすることが難しいのでしょうか。

 それは言うまでもなく、「人」だからです。

 これまで手指衛生ができないのは、ひと個人の問題として「教育」が世界中で重視されて来ましたが、教育だけでこの向上を図るには限界があると思っています。人間の行動は科学されてきていますが、いまだに謎が多く、医療に限らず、行動科学は全ての産業で、マーケティング上、必須であり、最もホットな領域となっています。

 今後の感染制御の方向性については、大きく2つあると考えています。一つは、質を均一化、標準化するために、人を介さない自動化を取り入れると言うこと。そしてもう一つは、教育だけにに頼らない「人とモノとの関係性」をもっと深く読み解き、「行為につながるデザイン」をもっと強化する必要があるということです。

 簡単な例で言いますと、例えば、環境衛生の自動化であれば、完全自動化は当分、難しそうですが、標準化できない人の手を介した後の「質の保証」を担保すると言う意味で、スイッチ一つで誰が操作しても同じ消毒レベルまで自動で実行できるシステムや、個人防護具PPEに関してもその着脱等に、簡素化、自動化できる余地はまだ残っていると考えています。

環境衛生の自動化、UV-C照射装置。 昔あった紫外線照射とは異なり、空間ではなく、環境表面に強力なUV-Cを照射。短時間(5〜10分間)で耐性菌を除菌。


 手指衛生剤やPPEのディスペンサーに関しては、思わず目を引くであるとか、触って見たくなるといった感性に訴える要素は「重要な性能」だと考えています。一般的にこれらのディスペンサーは周囲環境に調和する基調でデザインされることが普通と思われていますが、その結果、識別しずらい、目立たない状況が多く発生しているような気がします。
 ちなみに我々のPPEディスペンサーは、病院環境に通常見られないようなパープル色であったり、真っ赤や緑といったあえて調和しないカラーを選んでいます。お客様からは社長の趣味だと思われている節もありますが笑、そんなことはありません(キッパリ)。また、あえて邪魔になる場所に設置し、気づきによって、行為につながる、促す設置場所も重要だと考えています。

 研修直後は手指衛生の遵守率が上がるが、2〜3ヶ月もすると元どおりとは、「感染管理のあるある」とよく言われますが、この人間特性を逆手に取る手法など、まだできることは多そうです。
ご興味のある方はご一報ください。色々な手法をご一緒に試してみませんか。

カラーコード可能。目立つ、どこにでも付けられる、オシャレなPPEディスペンサー

病院内で見かけない「パープル色」のPPEディスペンサー

環境清拭ワイプも「緑」と「赤」のディスペンサー。遠くからも識別できる。






2018年10月24日水曜日

会社は誰のものか?

 昨日は「2018ワールド・アライアンス・フォーラム東京円卓会議」に参加。「公益資本主義」のお話。「公益資本主義」とは聞きなれない言葉で何やら政治思想的な話と思われるかもしれませんが、簡単に言うと、短期的に株価を上げることに執着し、株主への還元を最優先とする米国型の「株主資本主義」ではなく、企業は顧客や社員、世界や国、地域社会にに長期的に貢献できる存在であるべきとの考え方。昨今、ますます重視されている企業価値の指標ともなるESGやSDGs*にも深く関連し、今回の会議を通じて、その本質を理解できたような気がします。

「会社は誰のものか」という議論は以前からありましたが、決して株主だけのものではなく、会社は社会の「公器」であり、その目的は事業を通じて「公益」に貢献すべきという考え方には非常に共感できました。もちろん、経営者としては利益を出さなければ、社員を幸せにはできず、社会にも貢献できないので、あらためて、会社とはどうあるべきかを深く考えさせられる会となりました。

 今回はうちの元社員がこの財団に転職し、会議に招待してくれました。人のつながりに心から感謝。
 災害支援、そしてアフリカを中心とした感染症対策も単なる支援ではなく、事業としての取り組みもスタートしています。


* 従来の財務指標だけでなく、企業経営の持続性や可能性を下記の指標で企業価値評価に取り入れようという動きが拡大しています。
ESG : Environment(環境)、 Social(社会)、 Governance(ガバナンス)
SDGs : Sustainable Development Goals(国連による持続可能な開発目標)


 下記の写真は本文とは関係ありませんが笑、先週末に長野県にトレッキングに行った時のもの。世界に誇るニッポンの紅葉。世界の自然環境を持続的に守るのも我々の必須の勤めですね。








2018年9月17日月曜日

北海道被災地支援 MDAT出動

 その後も北海道の避難所での感染を予防するため、北海道支社を中心としたご支援を続けています。

 下記は北海道支社長、杉山のFacebookページ。本人の札幌の自宅も液状化で大きな被害が出た地域にあり、被災者ではありましたが、任務優先で精力的に動いてくれました。支えてくれた家族に深く感謝。

 その後、私も被災地の避難所を回りましたが、時期的に物資の問題は解決していたのですが、避難所の運用では感染管理上、課題はまだありそうです。特に屋外に設置された簡易トイレの手洗い場は改善の余地が色々とありますね。一つ一つ、解決策を探っていきたいと思います。


2018年9月7日金曜日

MKOM2018 モレーン・キックオフ・ミーティング2018


 この度の北海道胆振東部で発生した地震災害により亡くなられた方々に対し、深く哀悼の意を捧げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 

 今年は創業25周年ということもあり、実は北海道の牧場を2泊3日で貸切り、様々なイベントを半年以上かけて準備し、モレーン・キックオフ・ミーティングMKOM2018を開催予定でした。しかし、当日未明に北海道胆振東部地震が発生、北海道行きは直ちにキャンセルとしました。

 ただ、地方の各支社のスタッフも北海道に向けて既に東京に集結していたので、全社員が集まるミーティングだけでも必須と考え、急遽、近所の中野サンプラザで1day MKOMを開催。モレーンの未来戦略や各部署からの今期目標発表、アワード表彰を行いました。

 今年から組織サーベイをスタートしたので、営業成績ではなく、エンゲージメント(相互理解、チームワーク)スコアの高いチームの表彰も行いました。


震災という状況下で表彰などと浮かれている場合ではありませんでしたが、自分たちが元気でないと災害支援もできないと定め、経営者として開催を判断しました。

 北海道では震災直後から被災地に災害支援チーム(MDAT)の派遣したので、北海道支社のメンバーは不参加となりましたが、その後も、本社からの応援も含めてご支援は続けています。

 北海道MKOMツアーのキャンセルでは、牧場で様々なイベントや食材を特別に用意していてくれた現地スタッフの方々にも多大なご迷惑をおかけしたので、北海道を応援する意味でもまたの開催を企画したいと思っています。








2018年8月12日日曜日

年俸面談2018 スタート!

 毎年恒例の年俸個人面談がスタート。
 モレーンの給与体系は年俸制。独自の評価シートを元に社員一人一人と私と副社長の多湖が全国の支社を巡り、個人面談をして、今期の年俸を交渉、決定します。
 今年は北海道支社からです。札幌の夜は18℃、涼しいというか寒い!

 ここから南下し、名古屋、大阪、福岡の各支社を週末までかけて回ります。東京本部は来週から。

 社員との絆、エンゲージメントをさらに高めなければ、お客様の期待に応えることができないと、今期から外部の組織コンサルタントにご協力いただき、社内サーベイを実施、より良い組織にするための大改革をスタートさせました。このサーベイでは、我々経営者も含め、管理職が一般社員から容赦無く(?)、評価されるので、身の引き締まる緊張感の中で新しい期がスタートしています。組織改革に本気で取り組み、次のステージに突き抜けたいと思います。
 個人面談後は、各チームと飲みながらの組織改革議論(?)。大いに盛り上がっています。今更ながらですが、飲みニュケーションに感謝。




週末はそのまま北海道で、ひまわりを撮りに行きました。北竜町「ひまわりの里」

こんなにたくさんのひまわりを見たのは初めて。感動!当たり前ですが、みんなこっち見てる笑

日曜日は札幌で散髪。イメージチェンジにトライしましたが、どうでしょう笑


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