医療従事者(病院・訪問診療)の呼吸器防護について

医療従事者(病院・訪問診療)の呼吸器防護について;

 新型コロナ感染防止に最も大切なことはワクチン接種であることは言うまでもありませんが、マスクの着用も次に重要です。特に感染力の高いデルタ株ではマスクの着用率が低い米国において、ワクチン2回接種しても感染するブレイクスルー感染が日本の10-100倍多いということもわかってきています(大阪大学 宮坂先生)。

 そこでちょっと心配なのが、医療従事者のマスク、呼吸器防護です。新型コロナ患者さんに直接接する医療従事者はエアロゾル感染を防ぐ意味で基本、空気感染に対応するN95と言われるマスク、厳密にはマスクではなくN95レスピレーターを着用しますが、そのN95が確実にフィットしているかどうかを確認できていない病院や訪問診療施設がかなり多いと感じています。ワクチンを2度接種しても抗体価が数ヶ月で減少することもわかってきているので、これから冬にかけて医療従事者の呼吸器防護はより厳格な対策が必要だと思っています。

 N95は呼吸器を守るためのPPE(個人防護具)、よってマスクと顔面の間に隙間があっては意味がありません。N95は米国のNIOSH(国立労働安全衛生研究所)によって承認されますが、フィットに関しては審査されないため、承認済みN95でも顔面にフィットするかどうかは、製品により大きな差があります。
 そのため、米国では、OSHA(労働安全衛生局)が事業者に対し、N95を導入する際は確実にフィットしているかどうかの「フィットテスト(採用時、その後は年1回、それ以外でも体重の増減等や着用者から要望があった場合)」の実施を法令で義務付けています。米国では製品の承認と運用の法的規制の襷掛けにより医療従事者の呼吸器が守られていますが、日本では残念ながら医療でそのような規定はまだありません。N95だけが一人歩きし、昨年は特に国や自治体からフィット率の非常に低いN95が医療機関に配布されました。当時から厚労省ともかなり議論をして今はフィットテストをパスできないN95が調達されることはもう無くなりましたが、過去に調達した粗悪なN95がまだ出回っていることも事実です。

 我々も微力ですが、フィットテスター(OSHA承認機器)のデモ機を大幅に増強し、病院および訪問診療施設の皆さまのフィットテストを無償で実施します。リソースに限りがあるため、お待たせすることがあるかもしれませんが、全力でサポートしますので、ご遠慮なくお申し付け下さい。フィットするN95が手元にない場合も必ずソリューションをご提供します。
これから年末にかけてインフルエンザのリスクもあり、N95の需要増大が世界的に見込まれています。フィット率の高い高品質のN95は逼迫も予想されていますので早めの準備、確保をお勧めします。
 ご不安なことがあれば、いつでもご相談下さい。

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