ひとり会議2020

 今日は年末恒例の「ひとり会議」をいつものように誰もいないオフィスで開催しました。この1年を振り返り、そして来年をどうするかを妄想する大切な時間なのですが、今年は正直、新型コロナ対応の真っ只中なので、未だに仕事納めどころか、年末という気すらしません。

 去年の年末の「ひとり会議」の時は、このような事態になるとは夢にも思っていませんでしたが、今年はスタートの1月から中国のマスク工場からの出荷が滞り始め、2月初頭のダイヤモンドプリセス号の支援を皮切りに、フルスロットルでここまで走り抜けた気がします。なんかあっという間の1年間だった気もしますが、去年の今頃を思うと遠い昔のことだったような...。

 今年の総括として、まず最初に3月4月はサージカルマスクやガウンが不足というか枯渇してしまい、その後はN95が枯渇、そしてマスクやガウンが正常化しつつある今、今度は医療用手袋が不足、高騰するという事態が発生していることに対して、PPE(個人防護具)メーカーとして、医療現場の皆様に深くお詫びを申し上げたいと思います。本当にごめんなさい。慚愧に堪えないとはこのことです。

 今は、医療用手袋だけは絶対に枯渇させないと調達に躍起になっていますが、同時にこれまでの反省を活かして、来年以降、次に備える新たなサプライチェーン(国産&輸入&備蓄)の構築は必須だと思い、行動を開始しています。

 これまでの政府や都道府県の対応に、もちろん不満もあったりしますが、新型コロナを封じ込めるという目的は皆同じ。PPEに関しても産学官連携のワーキンググループもこの12月についに立ち上がりましたので、ここでも我々の役割を全力で果たしていく所存です。必ず良い方向に向かいます。

「感染対策は、人との距離を置くためではなく、信じあうためにある」

これは10年ほど前に策定したモレーンのPPEの基本コンセプト。個人的には不謹慎かもしれませんが、「ソーシャル・ディスタンス」という言葉は嫌いです。今回の新型コロナでは、「経済」と「感染対策」が敵対するような構図をよく見受けましたが、実際は全く違います。経済を回すために、人々がもっと触れ合って幸せな世界を取り戻すために「感染対策」はあるのです。

 2020年は、経営者としての覚悟を様々な場面で試される1年でした。5年後の自分に笑われないように、2021年も心して新型コロナウイルスに対峙するつもりです。

 今年1年間、皆様には本当にお世話になりました。皆様のご意見やコメント、そしてたくさんの応援のお言葉には大いに励まされ、勇気をいただきました。本当に有難うございました。

 この年末年始はまともに休めない医療従事者の方々も多くいると思いますが、どうぞご自愛くださいませ。

 来年が皆様にとって素晴らしい年になりますように深くお祈り申し上げます。
それでは良いお年を!

草場恒樹



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