製品を開発するということ

カナダのベンチャー企業のCEOが来社。彼らが開発した製品のプレゼンテーションを受けました。webを通してアポイントの打診を受けた時点でこの製品はちょっと難しいなと正直思いましたが、基本的に海外の医療製品ベンチャーの売込みは断らないことにしているのでお会いすることに。

実際のサンプルも交えたプレゼンは興味深くはありましたが、やはり日本では難しいと判断し、その場で彼に伝えました。彼はちょっとしょんぼりした様子でしたが...。ただそのユニークな素材を使った別のアプリケーションを参加者全員で考えてみようと提案し、その場でブレストがスタート。実は困っていた製品に応用できそうなことを発想したスタッフがいて、やってみない?ということになりました。今後この話がどのように発展するかはわかりませんが、新製品開発のクリエイティビティ、イノベーションはひらめきによっていきなりゼロからスタートするのではなく、既存の技術や製品、既知の情報との組み合わせによる「関連づけ」が導火線となることは間違いないと強く信じています。

93年に起業した際はアクアフィルム(水溶性ランドリーバッグ)という製品一つだけで一人飛び回っていましたが、門前払いされることが多い中、アクアフィルムは無理だけど、こんなのはないの?こういう製品を扱ったら?と一緒に考えていただいた医療従事者の方々のお陰で今のモレーンがあることは間違いありません。それを思えば、自分たちの製品開発のためだけでなく、トロントからはるばる日本にやって来たチャレンジャーに必要以上に肩入れし、応援したくもなるのです。

ちなみにモレーンは現在、欧米で17社、アジアで3社の製造委託も含めたグローバル・ネットワークを持つ企業になりました。最近ではモレーンがハブとなり、海外メーカー同士をつないで新たな製品や市場を開発しようとの企画も出たりして、益々エキサイティングなステージに入りつつあります。新卒のみなさん、規模は小さくてもピリリとスパイスの利いた面白い会社がここにもありますヨ(笑)

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