医療機器、その効果と安全性         (HOSPEX JAPAN 2015で感じたこと)

 11月26日からの3日間、医療機器設備の展示会、Hospex Japan 2015に出展しました。

 きちんとしたデータを見た訳ではありませんが、医療業界に新規参入の出展社が急激に増えたような気がしています。アベノミクスの成長戦略でも重要なポジションを占める医療分野に注目が集まっているからかもしれません。

 他業種のメーカーが医療分野に新規参入し、新たな切り口で製品を投入することは患者さんのためにもマーケットが活性化する意味でも歓迎すべきことですが、一方で患者さんの健康利益に本当につながる製品なのか、その効果に関してのエビデンスに疑問を持つような製品が増えているのも残念ながら事実です。我々医療機器メーカーの責務は、本当に患者さんのためになる、医療従事者のためになることを目的とし、エビデンスに基づいた正しい情報と製品を届けることにあります。
 医療の分野でも規制や障壁はできるだけ取り除くべきだと個人的にも考えていますが、患者さんや医療従事者の安全性を担保することは言うまでもなく、必要最低条件です。

 感染予防関連製品で特に問題として散見されるのが、不確実な消毒効果を謳ったもの。今回のHOSPEXでも我々のブース近くに次亜塩素酸ナトリウム溶液を噴霧し、空間を消毒する装置が展示されていましたが、そのブースには「インフルエンザ対策に最適!」と書かれていました。確かに次亜塩素酸ナトリウム溶液はインフルエンザに有効ですが、実際の医療現場で、密閉されていない広い空間での噴霧の効果には疑問が残り、なにより人体に対する吸引毒性の方がはるかに大きな悪影響を与える可能性があります。

図1. 製品選定・開発のポイント

 感染予防製品の選定のポイント、これはメーカー側の開発ポイントともなりますが、次の3つがあげられます。
 1)感染予防効果 2)安全性 3)コスト
 いくら効果があっても、患者やそれを取り扱うスタッフに安全かどうか、環境に優しいかどうか、そしてさらに効果や安全性に問題がなくても、費用対効果として現実的かどうかも重要なポイントとなります(図1. 参照)

 今回のHOSPEXもたくさんのお客様にご来場いただき、本当に有難うございました。
また、ブースでは20年ぶりの劇的な再会もあったりして、個人的にもドラマティックな展示会となりました。

HOSPEX JAPAN 2015 モレーン・ブース


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