米国出張・IRVINE(アーバイン)・工事封じ込め・感染予防

 ロサンゼルス郊外Irvine(アーバイン)にある病院でCIC(感染管理認定)の看護師と施設管理部門の方々とディスカッションしてきました。この医療施設、驚いたことに施設管理部門をマネジメントも含め完全に外部委託していました。施設課のマネージャと話していると思ったら外部委託会社のCEOでした!
 この委託会社、施設内の増改築工事から設備の導入まで全てをプロジェクトとして請け負っており、例えば、設備導入がある場合、機種選定から見積もり請求、予算管理、工事内容の決定から工程管理まで全てを委託され、マネジメントするとのこと。工事の際に発生する感染リスクに関してもCICと密接に連携して、ICRA (Infection Control Risk Assessment) に準拠した封じ込め対策を厳格に実施していました。訪問した際も滅菌器1台の増設プロジェクトが進行しており、既存の滅菌器を稼働させながら材料部を一切閉鎖することなく封じ込め対策を実施する計画とのこと。「プロジェクト・マネジメント」の重要性を再認識しました。

 「プロジェクト・マネジメント」の委託会社代表の案内で病院施設内のプロジェクトを視察。バニースーツに身を包んで実際の現場を体験しました。


 手術部材料部です。中央材料部とは別に9室あるORに対しての専用材料部。スタッフは2名配置で外部委託ではなく、病院職員でした。
 スタッフは常に不織布防水ガウン、厚手グローブ、マスク、キャップ、シューカバー、フェイスシールドを装着(全てシングルユース)。

 CICの看護師の方に重視している活動は?とお聞きしたところ、即座に「現場に行く事」とのお答えでした。あえて「なぜ?」とさらに質問したところ、スタッフのモチベーションが重要だからとのこと。いつもポケットにコーヒーチケットを忍ばせ、現場で手指衛生やPPE、廃棄物処理等をきちんと実施しているスタッフに渡しているんだと笑っておられました。コーヒーチケットが良いかは議論がありそうですが笑、現場ラウンドが「監視」ではなく、「スタッフのモチベーション」というのは印象的でした。

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