第1回感染制御ソシアルネットワークフォーラム(仙台)

 第1回感染制御ソシアルネットワークフォーラムでお話をしました。
このフォーラムは10年にわたり日本の感染制御を牽引してきたJ感染制御フォーラムが、時代の状況に合わせて進化、拡大したネットワークとして今年より新たに発足したものです。
発足の目的に関して、代表の賀来満夫先生のお言葉を下記の通り、引用させていただきます。

「来年開催される東京オリンピック・パラリンピックを目前にして、感染症の新たなる脅威が生まれつつあります。若年者における麻疹や風疹などの増加、性感染症・梅毒患者の急増、過去最多となるインフルエンザの発生、外国からの持ち込みによるカルバペネム耐性腸内細菌CREによる医療関連感染の発生、薬剤耐性菌や難治性クロストリジウム・デフィシル感染症の市中・地域社会での増加、それらに加え、地震や台風、豪雨などの災害時に発生する災害由来感染症等々、まさに感染症は”グローバル化“そして“ボーダーレス化”してきており、感染症に対する対応をいかに行っていけばよいのか、さまざまな課題が浮き彫りになってまいりました。

 今回開催いたします「感染制御ソシアルネットワークフォーラム」では、このグローバル化・ボーダーレス化しつつある感染症に対し、医療関係者、介護福祉スタッフ、保健行政担当者、さらには学校関係者、一般市民の皆様と感染症について情報の共有化をはかり、ともに考える場を提供していきたいと考えております。」


 「感染症のグローバル化、ボーダーレス化」は、今後の世界平和・経済を考える上でもKeywordだと思っています。

 今回私は教育セミナーとしての枠をいただき、日本感染管理ネットワーク(ICNJ)東北支部研修会も兼ねて「ひとの行動、感情から考える感染対策」とのタイトルで講演しました。要旨は下記の通りです;

・感染管理に必要なツールや設備はある程度、エビデンスも含めて確立されてきていると思っています。ただし、手指衛生や環境衛生、PPEに関してもそれに関わる人が、適切なタイミングで適切に使用しなければ本来の目的は言うまでもなく達成できません。そのためにマニュアルやガイドラインがあるのですが、規則や規律だけでなく、ひとの行動や感情から遵守率を上げるアプローチのいくつかを下記の分野からご紹介しました。
1)観察・共感から考える
2)行動科学、仕掛学のアプローチを試してみる
3)コミュニケーションの重要性をあらためて考える

※内容にご興味のある方はお気軽にお問い合わせしてください。現場でのディスカッションも大歓迎です。



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