ワイキューブに思うこと


プレジデントに掲載されたワイキューブ(今年3月に倒産:民事再生手続中)の安田社長の手記を読む。

少し感傷的になったので、書き残すことに。

同社には、我々もここ数年、新卒採用からカタログ制作、社員研修までお世話になっていた。
私自身もワイキューブのデザインコンセプトに少なからず影響を受け、今日のマーケティングに活かしている。

手記の内容は淡々としていたが、経営者のひとりとして、とても他人事とは思えなかった。

経営の失敗を批判する人は多くいるが、自ら経営者としてリスクを負う人は少ないのである。
幸い自分の会社は今のところ順調に推移していて、どの銀行もお金を貸しますなどと言ってくれているが、経営者ならば誰もが必然的にメンバーとなる「倒産恐怖クラブ」から脱会する術を教えてくれる人は誰もいない。

経営手法は科学されているが、良いも悪いもストーリー通りにはいかなかったりするのである。

ワイキューブで当社を担当してくれたM島くんはその後独立し、引き続き当社でワイキューブ時代と変わらずの、いやそれ以上の感動的なサービスを提供してくれている。ちなみにワイキューブにいたK森くんは今、当社の東京営業部リーダーとして輝きを放っている。M島くんは、安田社長は松下村塾みたいな会社を作りたいと言っていた、自分はその信念を証明してみせたいという。

安田社長は経営には失敗したかもしれないが、元社員たちに「志」を残したのではないか。スゴいことである。ワイキューブを卒業した「志士たち」の今後の活躍を見守りたい。