ロボット手術

davinci

相変わらずのブログ更新の遅さで方々からお叱りをいただいております。申し訳ありません。
さて、前回少しお話したロボット手術について個人的にあまりにも感動したので、もう少し触れてみたいと思います。米国のIntuitive Surgical社が開発したロボット手術システム「ダ・ヴィンチ」。日本国内ではまだ4台しか稼働していませんが、世界では米国を中心に実に400台以上が稼働していて、人技を超えた精密な動きを可能とするロボットアームが実際の臨床現場で活躍しはじめています。

ロボット手術システムで期待されているのは低侵襲性で正確無比なオペレーションはもちろんですが、そのキモは遠隔手術にあります。インターネットが普及し、ブロードバンドが当たり前の昨今ですが、一瞬のタイムラグも許されない手術現場の3Dハイビジョンをビデオストリーミングする技術は、まだ安定性に問題があるようです。しかし東京にいるドクターが、ニューヨークにいる患者さんの手術を普通に行うという現実がもうすぐそこまで来ているのです。

5〜8mmの太さしかない「ダ・ヴィンチ」のロボットアーム「エンドリスト」は、医師の肩から下の腕の動きを患者さんの体内で忠実に再現します。この複雑な動きを実現するために「エンドリスト」の構造は複雑を極め、洗浄・消毒が大きな課題となっていました。今回来日したMedisafe社のM.J.氏は今、最も洗浄が困難と言われるこの「エンドリスト」の自動洗浄消毒にチャレンジし、「ダ・ヴィンチ」のメーカーであるIntuitive Surgical社との連携で安全な洗浄消毒手法を世界で初めて確立しました。そして、この手法を今回招聘したK.R.氏が第三者機関として認証(バリデーション)し、再使用する際の質の保証がなされたのです。欧米では、再使用する器械器具の洗浄消毒に関して、ISO等の国際規格を元にガイドラインが作成され、器具メーカー、洗浄機メーカー、洗剤メーカーが一丸となって質の保証に取り組み、第三者機関がバリデーションを行うシステムが確立されています。日本では残念ながらこの一丸となったシステムがまだ、発展途上...。

私たちは、使用済み医療器具の再生の質の保証は、感染管理上重大なミッションの一つとして、微力ではありますが、今後も推し進めていきたいと思っています。ロボット手術器械の汚染除去に関しては動画も含め、色々な資料がありますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせ下さい。スゴいですよ。

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